今年も普通の女子が鴨を絞めて、お雑煮にしたよ。

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今年も普通の女子が鴨を絞めて、お雑煮にしたよ。ちはるの森

あけましておめでとうございます!

 
 
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何年も前のこちらの記事が今でも沢山の方に読まれているようなので、ここでちょっと追記したいと思います。

まず、この記事には生々しい写真が含まれております。苦手な方は、この先はご覧にならないことを強くおすすめいたします。

それから私は今「自分の暮らしを作る」をテーマに、里山の小さな集落でシェアハウスを運営しています。畑、田んぼ、古民家の改修、太陽光パネル発電などに挑戦しながら、猪から自分たちの田畑を守るために狩猟免許を取得し、狩猟活動も行っています。

今、昔の記事を読み返すと、至らない部分があるなあと思う点がいくつもあります。それでも、初めて体験したことを素直に表現すること、それから、これらの経験が今の私を作ってくれたことは大切にしたいと思います。

自然の中にいると、いいことか悪いことかがあやふやで、見る方向が変われば価値観が逆転するような場面にも何回も出会います。草刈りしていて意図せずミミズを殺してしまったときや、台所を荒らすネズミが罠にかかってるのを見たとき、生きている昆虫や魚に針を引っ掛けて海の中をぐるぐる回して釣りをしているとき。

その曖昧な善悪の境目を行ったり来たりしながら、瞬間ごとに色んなことを感じながらそこにある命と向き合っています。だから、私には何が正しいのか、何が答えなのかは分かりません。それはひとりひとり違うものなのかもしれない、とも思っています。

私自身、まだまだ道の途中です。少しでも自分の答えに近づけるように、試行錯誤を重ねながらこれからも日々の暮らしの実践を続けていきたいと思いますので、これを読んだ方と一緒に考えていけたらと思っています。

もし良かったら、今の私の暮らしのこともあわせてご覧頂けたら嬉しいです。
http://chiharuh.jp/?cat=13

ちはる

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気がつけば、前の投稿からすごく時間が空いてしまいました。
以前更新した記事「普通の女子が鴨を絞めて、お雑煮にしたお話。」から
もう一年が経ったなんて。早いね!

 

今年も、去年解体をさせて頂いたびたらファームに行って年越しして来ました。
みんなでおせち作るって家族っぽくて楽しいよね。
これが大好きでいつも行ってる!

 

今回も、いただくのは合鴨農法の合鴨ちゃん。
しかも、ぴたらファームで大事に育てられた鴨だから羽もつやつや。

 

 

大切にされてきたんだろうね〜。
メスは卵を産むから…という事で、オスを食べる事にしました。

ビクビク怖がりながら絞めた、一年前。
今は、すっかり覚悟ができるようになりました。
成長したなー(しみじみ)

 

 

だいたいは去年と同じやり方ですが、気絶させる時は去年のように殴るのではなく、
腕で挟み込んで頭を回す方法に変更しました。
これなら一人でも比較的簡単に出来ます。

それと、鴨の場合は「窒息鴨」といって血抜きをしない解体方法もあるのですが、
(窒息鴨の解体方法を試した時はこちら)
今回はあまり時間がなかったので通常通りの解体方法をとることにしました。

まず、羽がばたつかないように脇に挟み込んで首を掴み、もう片方の手で頭を掴みます。

 

 

そこから、3回転ほど首を回します。
この子はすっごく大人しくて、全然暴れなかった。
首が折れた音はしたものの、大人しすぎて拍子抜けしてしまったくらい。

 

まな板の上に鴨を起き、首に包丁を入れます。
鴨は声も出さず、すうっと静かに息を引き取りました。

 

食べられない頭は、お墓を作って埋めました。
今年もありがとうね。

 

 

ここからは、去年と同じ。
血抜きをしたあとはお湯につけて毛穴を開かせ、羽をむしります。

 

 

ダウンがすごいね!

 

 

そして、物欲しそうに見つめるわんちゃん。
ごめん、あげられないの。

 

 

取りきれないうぶ毛を炙って燃やしたら、いざ解体へ。

 

 

まず肛門から切り込みをいれて内臓を取り出すんだけど、この子は臭いが強かったー。
お肉の匂いというよりは、体内にこもった脂の臭いと、餌を消化する途中の臭い。
絞めるギリギリまで、ご飯食べてたもんね。

(絞める前に、絶食させてお腹の中を綺麗にしておく人も多いです)

内臓を出し切ったら、胸肉から切り取っていきます。

 

 

背中の骨に沿って切り込みを入れ、骨に沿うようにお肉を剥がしていきます。

胸肉と、上にかかっているのはササミ。
(本当は、鴨の場合はササミと胸肉分けない方が良いみたい)

 

 

それから足、手羽を関節と逆方向に折り脱骨させて切り取っていきます。

鴨のお肉をさは脂が命。
出来るだけ鶏皮をお肉にくっつけるように切っていきます。

背中の皮も美味しい料理になるので、綺麗に綺麗に切り取ります。

 

左から、もも肉、鶏ガラ、手羽(右上)、その下がぼんじり、鶏皮、首。

 

 

左から、ささみ、胸肉、上から、心臓、レバー、砂肝、肺。

 

 

今まで肺は食べてこなかったんだけど、
食べたら意外にも美味しい!ということで最近はよく食べます。
食感はふわふわしたスフレみたいな感じかな。

 

しかし、この子の肉付きの良いこと!
この立派な胸肉を見て!

今までで何羽も鴨解体したけど、こんなジューシーな鴨見た事ない。
冬の一番美味しい時期という事あると思うけど、肉付きも脂のノリも最高だった。

足も、いつも解体している平飼い鶏の筋肉質な足とは違って
ぷにぷに脂がのってる。
水かきも美味しそう。いいね!

 

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そしてここから、料理へ進みます。

まずは鶏ガラを元旦のお雑煮の出汁に。

 

 

お肉を少しでも無駄にしないよう、しつこーくしつこーく、お肉を削ぎ落としました。
キレイに出来たよー。
鶏ガラはネギと一緒に煮込みます。

 

その間に、大晦日の鴨鍋の準備。
(そば打ちする時間がなかったので、蕎麦は元旦に持ち越し。)

 

美味しい鴨鍋で年を越しました。
胸肉、レバー、ハツ、肺。
味付けしなくとも、お肉自体にしっかりと味が付いていてとても美味しかったな。

鶏皮はカラッと揚げておつまみに。
酒が進むすばらしい一品でした!

 

そして、次の日。
仕込んでおいた出汁を沸騰させ灰汁取りをしたら、
ぴたらファームの人参と菊芋を投入してお雑煮に。

 

 

中に入っている鳥みたいな人参は、わたしが梅人参に苦戦してる隣で、
料理人がささっと作った「鳳凰」。
しかも、大量生産できる素晴らしい仕上がり。
くう。悔しい。

 

 

そして、手羽と手羽元は煮しめに。
おちょこは、この日のために自作した蹴ろくろおちょこなの!

 

いやー、自分で作ったおちょこで飲むお酒美味しい!!!!
久々に寺田本家のお酒が飲めてテンションも上がります。

蹴ろくろとは、電動ろくろじゃなくって
自分の足で蹴って回すろくろのこと。

だんだんとスピードが落ちるため、
回転の不安定さがなんとも言えない味を作り出します。

(年越しのために、みんなで陶芸したんだよー↓)

 

そして、夜はそば打ち!

 

 

これも、ぴたらファームで取れた蕎麦を使うという贅沢さ。
昔やったそば打ちワークショップの内容を思い出しながらせっせと作ります。

 

 

おつゆは、昨日の鴨だしをお蕎麦用に味付け。
そして、2012年の集大成にふさわしいお蕎麦が出来ました!

 

 

自分で絞めた鴨のだし、胸肉、足、蕎麦ちょこに薬味入れ、そしておちょこ。
ふにゃふにゃでも愛おしい子たちです。

そして、最後に絞めた鴨の羽でブローチを作り
感謝の気持ちを込めて、ぴたらファームのスタッフさんにプレゼントしました。

 

 

自分たちで育てた鴨を食べるって、どういう気持ちなんだろう。
絞める様子をじっと見つめるスタッフさんの表情を見ながら、そんなことを思った。

私もいつかは自分で育てる所からやってみたいなぁ。

(今年は出来るかなあ)

 
いやー、それにしても本当に1年でだいぶいろんなことが出来るようになったと思う。
大人になって、新しく何かが出来るようになるってすごく幸せなこと!
改めて、沢山のチャンスと、それを繋いでくれた人たちに感謝です。
こうして毎年、何か1つでも成長できたことを報告できたら良いな。

 

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そして年が明けて1月。
さっそく動き出すことになりました。

 

 

狩猟免許を受けることにしました。

最初は、肉を食べないゆるベジタリアンな私が
狩りをするなんてきっとないだろうし、
止めさし程度出来れば今後便利かな、という程度だったんだけど。

この間お友達から借りた漫画「山賊ダイアリー」が面白すぎて、
もしかしたら狩りデビューするかもしれません。

 

育てられたものを解体するのと、
自分でしとめた動物を解体するのはなにかが違うような気がして。
(私がゆるベジタリアンなのも、自分で全部出来ないからだし)

 

自然の中に入れば、自分がイノシシに刺し殺される可能性もある訳だし、
もっとフェアにいろんなものと向き合えるような予感がします。
今年はもうちょっと自分の「身の丈」の幅が広げられるかなあ。

 

狩猟はもちろんだけど、こういった生き物とのやりとりを通じて
自然の仕組みや繋がりを学べることにとてもワクワクしています。
本で読んだりするより、もっと直接的で生々しくて感覚的で根本的なもの。

 
もちろん、新しい発見や驚きはみんなとシェアしていきたいと思ってるので
びくびくしながら育っていく私をどうぞお楽しみに。笑

試験は20日、頑張ろー!

 

それと、糸島にシェアハウスを作ることも今年の目標の一つ。
目指すは、食べものとエネルギーと仕事を自給できるシェアハウス。
全部じゃなくても良いから、少しでも自分たちで作れるっていうのが大切で、
その方法をみんなでシェアしたい。

畑付き、鶏付きで、ワークショップも定期的に開催できるような場所を目指したいなー。

 

私の夢は、「自分の身の回りのものを、自分の好きな人が作った」暮らしを作ること。
食べものも、洋服も、家具も、家も。
すぐに顔がぱっと思い浮かぶような、
そんな暮らしが最高に幸せなんじゃないかと思う。

 

その第一歩として、新たなシェアハウスを素敵なおうちにしたいです。
頑張るぞー!

 
というわけで、今年も生命力溢れる女性目指して
いろんなことに挑戦してきたいと思いますので、
どうぞよろしくお願いいたします。

ぺこり。

 
\ またねー! /

 

 
 

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▼本が出ました!
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私が新米猟師になるまでのエッセイ(ブログに書ききれなかったいろんなこと)や、動物別の解体方法、ジビエのレシピ集など、イラストを交えて紹介しています。

わたし、解体はじめました ─狩猟女子の暮らしづくり─

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about me!!

About chiharuh

twitter: @chiharuh facebook: http://www.facebook.com/chiharuh お問い合わせ/コラム/出張解体ワークショップ などについては chiharunomori●gmail.com (●を@に) までお願いいたします☆ 暮らしかた冒険家 Lifestyle lodestar カナダ留学後、ウェブマガジンgreenz.jpのインターンを経てNGO/NPO支援・映画の配給事業を行う会社に就職。 半農半Xのワークスタイルを目指すべく、会社ごと千葉の外房に移住しオフィス隣の小さな畑で野菜を育てる。 仕事で訪れたオーストラリア・インドなどのエコビレッジでは、WWOOFを通じてサステナブルな暮らしを体験。 人と人が繋がるヒューマンスケールな生き方に目覚める。 2011年の東日本大震災をきっかけに、大量生産大量消費の暮らしに危機感を感じ「自分の暮らしを自分で作る」べく、鶏などを解体する屠殺の勉強を開始。屠殺ワークショップを開催し大人から子どもまで一緒になって命と向き合う場を提供している。 福岡に移住した今では、食べ物、お金、エネルギーを自分たちでつくるシェアハウス「いとしまシェアハウス」を運営中。 狩猟免許を取得し、新米猟師に。現在は毛皮の皮なめしを勉強中。 解体を始めてから基本的にゆるいベジタリアンで、普段は自分で獲った獲物以外のお肉はあんまり食べません。 何で私が田舎暮らししてるのか、お仕事のことやこれからのこと。 インタビュー受けたのでよかったらどうぞ。 → http://luvlab.ex-tra.jp/2011/11/post-20.html

15 Comments

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  8. sinorin

    いつも楽しく読ませていただいてます。
    生と死を明朗に書かれているところに感銘を受けてます。
    都会の生活に疲れている私にとって、理想とするライフスタイルです。

  9. つぶあん

    いっぺんに全部読めず読んだ順にコメントしてきました。
    最終的にここに@w@:

    鴨(・肉・)がパーツごとに並んでいる写真が参考になりました。

    自分で狩りに出かけるのもありですね。

    我が家は主人が釣りが趣味ですので魚をまるごと調理します。
    魚のさばき方は丁寧なサイトが結構ありますし、食べるな残酷だひどい人間じゃない命を弄んでいるなどの書き込みもなく、知らない魚でも検索すればぽんぽん。と手順が見つかるのに、(・肉・)はなかなかありません。魚より肉の方が消費量おおいいのに:w:
    まあ、魚より肉は確かに獲るためには免許が必要だったり購入するにも売り場がどこにあるか知られていなかったりとハードルが高く身近ではないからかな・・・
    鴨肉は私単純に自分が好きなんです。年末の過ごし方、とても参考になりました。我が家はコメ農家で、今は自分たちが食べる分と、昔から契約してる人が食べる分しか作っていませんが、野菜もコメもほぼ自給自足しています。鴨好きなので合鴨農法もいいかもヾ(@⌒ー⌒@)ノ
    コメは主人のお父様がいまは作っていますがそろそろ私たち夫婦がつくらないといけないので合鴨農法もちょっと頭の隅に入れておこうと思います。ですが鳥はご近所がうるさいとよほどの田舎でないと難しいかな・・・こちらは神奈川県足柄上郡というところで、昔は沢山牛農家や養鶏場があったのですが、あとから来た人々に苦情を言われ辞めたりもっと田舎に移動せざるを得ない状況に追いやられました。あとからきた人がやりたい放題っていうのも変なものですがw私は生と死・・・とかあんまり考えていません。食べたいだけです。自分たちで食べられるだけを自分で調理する。魚もです。もちろん大漁の日もありますから、フリーザーをフル活用します。鴨肉も上手にさばけるようになる日を夢見て!鴨まるごと手に入れることのほうが大変ですがw日々勉強ですw

    今年の年末は自分でさばいた鴨で年越しそばを作りたいと思いました!

    また覗かせていただきたと思います。
    ありがとうございました。

  10. Pingback: 古民家シェアハウス始めるよ。 | ちはるの森

  11. 炎上がどうのこうのという記事がきっかけではじめてこのブログをよんだんですけど、めちゃくちゃ面白いです。さばいている過程が見れるのは大変ありがたいです。

    普段肉を食べるんですけど絞める過程は他の誰かがやっていて僕は食べるだけです。今日も食べると思うんですけどしばらく感覚が変わりそうです。

  12. Pingback: 独り言 » 一度は読むべきブログ。

  13. 通りすがり

    現代社会の中で、生と死を見つめながら、命の存在を感じながら生きることは難しいことです。それを実践しているあなたをうらやましく思います。
    テレビに映る偽物ばかりを見て生きている人間では、中々理解できる領域ではないでしょうね。

  14. 日曜ハンター

    狩猟免許、取れましたか?ワナですかそれとも銃?どちらにしても、安全には気をつけてくださいね。獲物は取れなくても、ヒトに怪我さえさせなければ、無事に猟期が終えたと山の神様に感謝です。(無神論者ですけどね)山賊ダイアリー、面白いですよね。4巻まで買いました。

  15. Pingback: 2013年総まとめ!&初獲物ご報告 | ちはるの森

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