イノシシの解体してきたよ。

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年末年始、新しい暮らしの冒険に出る!と言っていた私ですが、
大晦日からお正月まで山梨で解体の修行に行っていました。

 

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何年も前のこちらの記事が今でも沢山の方に読まれているようなので、ここでちょっと追記したいと思います。

まず、この記事には生々しい写真が含まれております。苦手な方は、この先はご覧にならないことを強くおすすめいたします。

私は今「自分の暮らしを作る」をテーマに、里山の小さな集落でシェアハウスを運営しています。畑、田んぼ、古民家の改修、太陽光パネル発電などに挑戦しながら、猪から自分たちの田畑を守るために狩猟免許を取得し、狩猟活動も行っています。

今、昔の記事を読み返すと、至らない部分があるなあと思う点がいくつもあります。それでも、初めて体験したことを素直に表現すること、それから、これらの経験が今の私を作ってくれたことは大切にしたいと思います。

何が正しいのか、何が答えなのかはひとりひとり違うと思います。そして何より、私自身がまだまだ道の途中です。少しでも自分の答えに近づけるように、試行錯誤を重ねながら、これからも日々の暮らしの実践を続けていきたいと思います。

もし良かったら、今の私の暮らしのこともあわせて読んで頂けたら嬉しいです。
http://chiharuh.jp/?cat=13

ちはる

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2012年は、自分で解体ができるようになりたい。

前回解体のブログを書いたとき、すごく反響が大きくて
みんなちゃんと興味を持ってくれてるんだと改めて実感しました。

 

それで、今年はいろいろな人と「命を頂く場」を共有するために
自分で屠殺ワークショップができるようになりたいと思いました。
 

私のワークショップを通じて一人でも多くの人が
「命を頂くこと」について考えてくれたらいいなーって。
結局、体験しないと分からないことだと思うので。
 

今回解体するのは、鹿に続いて、イノシシ。

 

※ 今回は今までの解体の中で一番グロいので、苦手な人は気をつけて><

身長166cmの私と並んで同じくらいの、80キロの巨体のイノシシ。
内蔵などを取り除いて、血抜きがしてあります。

 

この日も手がかじかむほどの寒さで、イノシシも凍ってました。

これに突進されたら…と思うと、もうドキドキ。
これくらいの大きさになると、もう自分じゃ殺せないなぁ…と思ったり。
たぶん森とかでイノシシと出くわしても絶対勝てない自信ある。

自分が何を基準にお肉を食べるのか。
まだまだ考え中の私です。

 

* * *

まずは、こちらの台にのっけます。

 

ちなみに、今回もイケメンシェフの佐野さんのレクチャー。

このお肉は狩人さんから譲ってもらい、解体してお店で出すとのこと。

 

 

最初に、足からナイフで皮を剥がしていきます。

 

 

冬は動物が脂肪を蓄えるので、脂がのっていて美味しいのだそう。
夏は解体していると傷みやすいし、虫が来るみたいなので
冬は屠殺シーズンなんだって。

知らなかった。

 

イノシシは脂がいっぱいのっているので、皮とお肉がしっかりとくっついていて剥ぐのがすごく大変。
この「脂」の部分にお肉の価値があるため、
出来る限りお肉に脂を残すように皮をはいでいきます。

この、白い部分は全部「脂」。
すんごいねー。

 

 

皮を引っ張りながら、少しずつ切っていきます。

強く引っ張るために、ナイフで皮に穴をあけ、指を入れて引っ張ります。

 

 

こんな感じ。
ぐいー!

 

 

どんどん剥がしていきます。

この周りの白い部分は全部「脂」。
鹿と比べてみるとわかるとおもうんだけど
鹿はもっと筋肉がむき出しで、ピンク色。
人体模型みたいな感じだった。

 

 

顔の皮を剥ぐと、もののけ姫のおっことぬし様みたい。

 

 

ちなみに、ナイフに脂がつくと切れなくなるので、
定期的に熱湯につけて脂を取り除きます。

 

 

そして、作業再開。

どんどんナイフを入れていきます。
私も剥ぎます!

 

 

大人5人がかりで、皮をはぐこと4時間…

まだまだ終わりません。

 

 

やっと…やっと背中までやってきました。
この、ヒゲの剃り残しみたいのは、イノシシのたてがみです。

 

 

最後に、頭を切り落とします。

 

 

そして、お肉を半分に切り分けます。
さすがにこの巨体をナイフできるのは大変なので、
チェーンソー(!)を使います。

 

 

はい、真っ二つ。

 

 

厨房に運びます。
重い。

 

 

ど・どーーーん!!

すごい迫力。

 

 

シェフがざくざく切り分けます。
それではしばし、イケメンシェフの共演をお楽しみ下さい。笑

 

 

私は、足を担当。

足を切り落とす時は、触って骨の形を確認したらナイフを入れ
ある程度肉が切れたら、骨を脱骨します。
骨が外れたら関節にナイフを入れて、切り離します。

けっこうな力技。
頑張った。

 

 

豚足ならぬ、猪足?(でも、このイノシシはちょっと豚入ってるそうです)

80キロと30キロ、2頭のイノシシを解体したので
おそらく切り分けたお肉は、90キロ近いんじゃないでしょうか…。

 

 

イノシシは雑食なため、生では食べられないので焼いて味見。
ジューシー。

しかし、普段あまりお肉を食べない私には
ジューシーすぎて1切れでお腹いっぱいに。
美味しいんだけど、美味しいんだけど…

一切れでゲップ止まらんかったです。

 

 

最初は順調だったのですが
お肉を切り分けていくうちにお肉の臭いと脂で頭がクラクラし始め、
最後の最後でついにダウン。

お店のはじっこで寝かせてもらいました。。。

私が屠殺したわけでもないのに、この疲労感はすごい。
お肉ってほんとエネルギー持ってかれる食べ物だなあと実感…。

こんな大量のお肉に囲まれることなんて、めったにないことだもんね。。

 

* * *

 

ちなみに、はがした皮はこちら。

左が80キロで、右が30キロのイノシシ。
熊みたい。

 

大人が寝れるくらいの大きさ!

 

 

超立派!!

 

 

鼻!

イノシシの毛皮は針金みたいで硬いので、この皮を使うのはなかなか難しいみたい。
なめすのにも時間とお金がかかるみたいで、この皮は処分しちゃうのだそうです…。

ちょっともったいないよね。

さて、今回解体したお肉は、年明けの私の誕生日会で出してもらうことになりました。

それでは、また次回ー。

★追記(2012/1/25)★

イノシシは鍋にして美味しく頂きました。

次回は、鴨の解体を取り上げます。
そちらは最初から最後まで私が行ったので、ぜひ読んでもらいたいです:)

about me!!

About chiharuh

twitter: @chiharuh facebook: http://www.facebook.com/chiharuh   ●畠山千春   新米猟師兼ライター   法政大学人間環境学部卒業。カナダ留学後NGO/NPO支援・映画配給会社に就職、3.11をきっかけに「自分の暮らしを作る」活動をスタート。  2011年から動物の解体を学び鳥を絞めて食べるワークショップを開催。2013年狩猟免許取得。  現在は福岡県にて食べもの、エネルギー、仕事を自分たちで作る「いとしまシェアハウス」を運営。第9回ロハスデザイン大賞2014ヒト部門大賞受賞。TEDxTokyoyz、TEDxKagoshimaにて登壇。   ブログ:ちはるの森 http://chiharuh.jp   著書:『わたし、解体はじめました―狩猟女子の暮らしづくり』(木楽舎) http://urx.mobi/B8LE

18 Comments

  1. Pingback: [朝刊] 今週金曜のアップルストア銀座イベントでは、大きな発表がありますぞ!

  2. banjara

    屠殺 怖いけど肉をいただいている人間として一度経験してみたいです。

  3. souma

    たまたま覗いた記事がこんな壮大で価値のある内容だとは
    思わなかった。年齢も近そうなのに大胆で素晴らしい人生を謳歌してて羨ましい
    私も参加したくなりました
    文章変ですみません

  4. 大将

    すばらしい!!

    初めまして(^0^)
    やっぱイノシシは捌きたてがウマイ!!っすよね!!
    特に春先~初夏のイノシシ・シカは絶品♪

    四万十じゃワザと腐らせて、ウジが出るか出ないか
    くらいがいちばんウマイ!!なんつ~ヘビーな
    猟師もいますがwww

    これからもちょくちょく拝見させていただきます!!

  5. 通りがかりのオジサンです。
    自分も田舎の出身ですが,解体経験は
    ニワトリのみ。(美味しいのですが)

    イノシシは解体されたものを食しただけですね。
    これは貴重な資料です。

    小学校とかでせめて,この類似体験ができれば
    いい人間形成に役に立つのにね。

    刃物さえ持たせないから。
    脂肪のついた刃物が切れないことさえ
    知らない大人は多い。

  6. Pingback: 普通の女子が鴨を絞めて、お雑煮にしたお話。 | ちはるの森

  7. kaishi yamasaki

    21才僧侶です。ワークショップにとても興味があります。
    私はお寺でこども会をしたりしていますが、ただ、話をするより体感した方が良いものもあるとよく思います。
    是非ワークショップを開いてください。
    私はまだ学生なので直接的には援助できませんが、影ながら応援しています。

  8. 私が今住んでる近畿地方でも同じ様に皮を剥ぎます。
    でも、古里の鹿児島辺りでは今も毛を焼いて剃刀で剃り皮も身に付いたまま料理します。
    又、そちらの地方のレシピでも、お教えていただければ幸いです。

  9. しょう

    たまたま拝見したブログでしたが、読み進めていくうちにどんどん引き込まれてしまいました。 命あるものを、その命をいただいて私は生きているんだなぁと再認識しました。明日から、食事の前の いただきます の言葉に感謝の気持ちを込めます。 このブログに出会えて良かったです。ありがとうございました。

  10. TAKEZO

    「鶏」篇にはいろんな意見のコメントがありましたが、鶏よりよほど大きい猪なのに割と落ち着いていますね。なぜでしょう。
    すこしずつ本能を忘れて(薄れて)きた現代人には教材のようなサイトです。「ちはるの森」いい響きです!もっと「現代人」に向けてチカラ強く発信してほしいです。

  11. Pingback: Breeze of Kalani » 締めたての鶏が食卓にあるということ。

  12. Pingback: 屠殺WSの講師デビューしました。 | ちはるの森

  13. 梨苑

    こっっ、怖かったです。。。
    わっわたし、蚊すらこっ、殺せないぐらい動物好きなのでショック受けました。でも、自分たちはこういうことの上で生活しているので、、動物を愛すからこそ、みて、そして、感謝するべきだと思いました。

  14. Pingback: 台所でイノシシを解体したよ。 | ちはるの森

  15. Pingback: この先のまち » Archive » 山賊ダイアリー第二巻、銀の匙、夏から秋へ。

  16. わか

    猟師ピカピカの1年生です。猪や鹿のわな猟を来月からデビューします。止め刺しをしてから解体まで毎日勉強してます。ちはるの森はとても参考になります。ありがとうございます。来年度は散弾銃でカモを獲りたいと思います。猟具にお金がかかるので血抜きをしたおいしいい肉を買ってもらえるよう技を磨きたいと思います。岐阜のわか より

  17. わか

    師匠に鍛えてもらっています 先週末に鹿が檻にかかってました。止め刺しをして腹だしして川で冷やし 次の日は一人で解体して切ったそばから焼肉大会を囲炉裏でしました。ロースがおいしかったです。初物でしたから頭を骨にして飾るそうです。オスの4年ぐらいだとおもいます。まあまあのツノでした。 今度はイノシシをとりたいです。

  18. mike

    解体する時に、一番先にしっぽ、頭、足首(人間のかかとあたり)をおとします。腰にアルミ製のナイフのケースを下げると仕事がはかどります。棒やすりも腰に下げておくとべんりだよ。ナイフの刃先の形がとがり過ぎてるようです。皮を剥いだら、アキレス腱のあたりに、切り、両端にフックの付いたハンガーで首を下にして、吊り下げます。背骨をハックソー(かな切ノコ)の荒い鋸目でたてわりします。

    胸はあばら骨の4本目か5本目で切り離します。腰はちょっと説明しにくい。あばらぼねはばら肉のほうからナイフで少し骨の骨膜を切ってから、焼き豚をまくときに使う綿のひもで輪を作り、引っ張るとあばら骨は簡単にはがれます。 半丸(身の半分)は30分ぐらいで骨の全てを外すことができます。
    包丁は皮むき用、骨すき用、(ほねをはずす)筋引きナイフ、刃が薄く軽くしなる、そして平切り包丁、(刃がやや厚く、しならない包丁)そして棒やすりは絶対必要です。

    脂身はラードを作り、脂身はアメリカ南部ではポークリンドと言ってお店で売っています。 耳はコリコリして、おいしい。頭、顔のにくは焼き鳥用に、しっぽもラードつくるとき揚げてかんたんに食べられる。
    腸は中身を出して良く洗ってから熱湯で茹でから、モツして食べられる。ラードで石鹸もつくれるよ。毛は刷毛や筆の材料になるよ。
    腸から出た糞と枯葉など有機物とまぜておけば肥料にもなる。石灰をまぶしておけば、臭いもそれほどしなくなる。

    実家が肉屋で、屠場でも働いたこともある私です

    がんばってね、

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