1人では生きていけない場所だからこそ、この場所は人を1人にしない。ドキュメンタリー「風の波紋」
風の波紋、というドキュメンタリーを見た。
この映画は、新潟県十日町・妻有地域の穏やかで逞しい里山暮らしを描いたドキュメンタリー映画。 監督の小林さんとの出会いは、去年の正食協会主催の食育フォーラムで登壇したときのこと。それがご縁で、映画ができたばかりの頃に舞台となった新潟で監督とのトークセッションに呼んでいただいた。
そのとき映画も初めて観たのだけど、とってもいい。 舞台となる越後妻有は雪深い集落。1人ではとても生きていけない場所だからこそ、この場所は人を1人にしない。田んぼ作業のときも茅葺屋根の修復のときも、日々の食卓でも、どんな場面でも寄り添う仲間の姿がすぐそばにある。
だからなのか、決して楽ではないはずの里山暮らしがとてもあたたかく、力強く映った。
いただいたフライヤーもとても可愛いんだよー。 それから!
田舎あるあるだと思うんだけど、田舎の人は歌が上手い。
エンターテイナーの多さには驚かされるばかり。あの集落の中に、どれだけの才能が集まってるんだろう。尺八(?)が吹ける人もいれば即興詩吟(?)のようなものをいきなり歌いだす人もいるし、カラオケで歌ってMCまでやってのけちゃうおじいちゃんも登場するし。
厳しい暮らしの中で、それを楽しく乗り越えていくための手段なのかな。それとも、歌がもっと身近にあったのかな?うちの集落も昔は畑作業しながら歌を歌っていたというし。暮らしのなかで、あれだけ身近に歌があるって素敵だな。羨ましいなー。私はちょっと恥ずかしくて、まだ歌えない。笑
作品の中では、動物を食べるシーンも出てくるのだけど。大切に育てて、可愛がって、「あいつはいいやつだった」って言いながら最後はみんなの食事になる。けれど決してしめっぽくなく、お酒を飲みながら美味しく食卓を囲むシーンはとっても良かった。
自然と関わりながら生きるということは、自分自身が抱える矛盾と向き合ったり、周りの生き物の生き様に圧倒されたり、命のやり取りに戸惑ったり、自然の厳しさと対面することだったり、すごく混沌としていると思う。
「風の波紋」は、3月19日より東京・ユーロスペースほか全国にて順次ロードショーだそう。 一度スクリーンで見て欲しいな。
▼風の波紋公式サイト
▼風の波紋facebookページ
—————————————————————————————————- 私が新米猟師になるまでのエッセイ(ブログに書ききれなかったいろんなこと)や、動物別の解体方法、ジビエのレシピ集など、イラストを交えて紹介しています。 —————————————————————————————————-
|