念願の養蜂はじめたよー!

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今日は朝からしとしと雨が降ってる。
お天気だとどうしても畑仕事や洗濯物、日が出ているうちにやらないといけないことに追われてなかなかゆっくりできないんだけど、今日は久々にブログ更新してみようかな。

 

この場所に住んでると、季節の変わり目を細かく感じられる。
春夏秋冬、ではなくて、まだ冬と春を行ったり来たりだなー、とか
ちょっと春になってきたな、と思っていたら夏の香りがしてきたり。日差し強っ!みたいな。

 

この間は3日間ここを離れたんだけど、帰って来たら鳴いてる虫の音が変わってた。
カエルもげこげこ鳴いてて、あー、もうすぐ夏なんだなーと思う。

 

ここ糸島の暮らしは本当に美しい。
でも、季節が数日単位でどんどん変わっていくから、
出張とかに行って数日家を空けてしまうと、そういう素晴らしい場面を見過ごしたりする。
たった数日の間なのに!

 

 

今年のお花見とか、一週間東京に行っている間に一番美しい時期を逃してしまった感ある。
むーーーー!!!!

 

 

というわけで、どこかに出かけると、大事なシーンを見逃しているような気がしてすぐ帰りたくなってしまう。
それくらい良いところです、我が家。

 

 

さて。

そんな我が家にはニホンミツバチが住んでいました。
私たちがこの家に来る前から住んでいたから、いわば先輩なんだけど。

 

二階の壁の隙間に入り込んで、晴れた日は楽しそうにブンブン飛び回るミツバチたちを良く見かけてた。
部屋に入り込んで来てうろうろしてることもよくあったし、家の中にミツバチがいるなんて日常茶飯事。

 

巣がどれくらいの大きさなのかは外からは見えないんだけど、せっかく一緒に住んでるんだから蜜のお裾分けしてくれないかなーってずっと思ってた。
それで、養蜂で有名な先生の養蜂講座を受けて、今年は養蜂に挑戦しよう!って意気込んでたんだよね。

 

それで4月、分蜂の季節。
春先に新しい女王蜂が誕生すると、群れが分かれて新しい巣を作るのです。

 

分蜂が始まる前に巣箱作らなきゃー、と思っていた矢先、我が家のニホンミツバチたちに異変が。
ある天気のいい日、部屋のすぐ外から、ブーーーーーーーーーーーーーーーーン!という鈍く大きい音がしてきます。

 

なんやなんや、と思って外に出てみたら空を埋め尽くすように蜂たちが飛び回っていました。
なんじゃこりゃーー!

 

 

もしかして、これが分蜂…?
すごい現場に立ち会っちゃった!

というか、巣箱まだつくってねええーーー!

空を飛び回るミツバチたち、大きい渦を描くようにひとしきり飛び回ると、
庭の梅の木に固まってピタっと身を寄せ合い、おとなしくなりました。
あれだけの大群が、こんなに小さく収まっちゃうなんて不思議だ。

 

 

これを蜂球と言います。
梅の木、表面がざらざらしてるから蜂球を作るのに良いみたい。

古い巣から飛び立ったミツバチたちは、こうして一度、巣から離れた場所に固まります。
この蜂球の中心部には女王蜂がいて、偵察部隊が新しい巣に適した場所を探しにいくのだとか。

 

分蜂のあいだは、ミツバチたちがおとなしいということで、
おそるおそる、蜂球のなかに指を突っ込んでみます…。

じわ、じわ…

 

 

指を入れてみると、じんわり暖かい。
ふるふると震える羽が指にふれて、ちょっとくすぐったい。
蜂球は蜂たちがぶら下がっているだけで、中はちょっとスペースがあります。
指を入れると、スペースを空けてくれます。

 

刺さない。
前から同じ家に住んでいるから、わたしに慣れているのかもしれないです。

ついでに記念写真。ぱしゃり。

 

 

この蜂球を巣箱に入れると巣箱に蜂が入る。
私たちが養蜂をならった先生の本に書いてありました。
こんなに近くに蜂球を作ってくれるなんて、ラッキーです。

 

分蜂から数日間かけて新しい場所を探す、と書いてあったから、タイムリミットはあと数日。
新しい巣を見つける前に、巣箱を完成させねば!
ということで、さっそく巣箱を作り、この蜂球の蜂たちを巣箱に誘導することにしました。
私たちが講座を受け、養蜂をするときに参考にしているのが、この本。

▼『我が家にミツバチがやって来た―ゼロから始めるニホンミツバチ養蜂家への道』

先生の本には巣箱の作り方が寸法付きで載ってるので、これを参考にして作りました。

 

いやー、でも、わたし。
真っすぐ線をひく、とか正確に測る、とかめっちゃ苦手で。

 

こりゃあかんわーってことで浩一さんがほとんど作ってくれました。

 

 

ありがとう。頼りになる。

巣箱は3段の重箱式。
これなら巣の成長にあわせて巣を大きくすることもできるし、
中の様子を確認するのもらくちんです。
箱の中には竹串を刺して、巣を作りやすくしておきます。

 

ミツバチたちの入り口となる一番下の出入り口の大きさは、約6ミリ。
9ミリ以上になるとスズメバチが入って来てやられちゃうんだって。

というわけで、完成!

 

 

湿気が苦手なので、コンテナを下に置いて通気性を良くします。

さて、この中にミツバチたちを入れるわけですが…

これがてこずった。

 

最初はミツバチたちを傷つけないように新聞紙で捕獲しようと思っていたのですが
ミツバチたちの重みと雨の重みで新聞紙がふにゃふにゃと曲がり、
蜂球がまっぷたつになってしまい、蜂球の中心にいる女王蜂がつかまえられない。
(素手でやる方もいます)

 

 

女王蜂がつかまえられないと、働き蜂をいくら沢山巣箱に入れたところで、また蜂球に戻ってしまうのです。

 

 

こんだけ沢山いる蜂の中で、ぶっちゃけどれが女王蜂かなんて分かりません。(めっちゃ似てるし…)

 

ミツバチたちを入れては、また蜂球に戻り…
ミツバチたちを入れては、また蜂球に戻り…

 

こんなことを繰り返していました。
くじけそう。

 

そして何回も繰り返すと、そろそろこの温厚な蜂さんたちも
いい加減キレて刺してくるんじゃない…?と思ったり。

 

ちなみにミツバチの毒は毒が水溶性なので、
もし刺された場合は、冷たい流水で毒を絞り出すように洗い、
ハチミツを塗れば30分もしないうちに痛みはおさまります。

 

仕方ないので、日を改めて木の板で再挑戦。

 

 

ミツバチたちをつぶさないよう、気をつけて行います。
そして、巣箱からすぐに逃げ出さないようにはちみつを巣の床に撒きました。

決定的瞬間(逃してるけど)をムービーにしてみました。

 

 

梅の木から切り離された蜂球がドサドサドサーっと巣箱に入ります。

 

すると。
おや…?逃げない固まりがいる!
もしかして、今回こそ女王蜂を入れられたのかも!

 

 

そっとフタをして、巣箱を木の下においておきました。
しばらくして戻って来ると、蜂球がない!!!

全部巣箱に入っていましたーーーー!!!!!!!

 

 

や、やったーーーーー!!!!!!!!!

 

巣箱への捕獲が成功して一ヶ月。
少しずつ巣が成長していきます。

巣の成長を見るには、一番したのドアの部分を開き、中にiPhoneやら鏡を入れて中を確認します。

 

 

こんな風に。

 

 

動画をとろうとiPhoneを射し込んだら、ザザーーーーン!ザザーーーーン!とさざ波のような音がします。
ミツバチたちが警戒して羽音をそろえて鳴らしているのかもしれません。

 

 

大迫力!

 

 

今は、巣箱の二段目くらいの大きさ。

晴れた日は、腰に花粉をたっくさんこさえて帰ってきます。
働き者〜!

 

 

ミツバチは人を覚えるし、刺さないし可愛い。
採蜜は秋かなあ。

巣が育っていくのが楽しみ。

 

養蜂を始めるようになってからミツバチたちのことを調べ始めたのだけど、
その生き様にはだいぶ驚かされた。

 

ニホンミツバチは、一度針で刺すと死んじゃう、とは聞いていたんだけど
ずっとそのことを不思議に思ってた。

なんでわざわざ刺すんだろう?
最悪、刺さなければ死なないのに。
人間だったら、絶対にそんなことしないよね?

答えは、ミツバチの習性にありました。

 

ミツバチは社会的昆虫と言われていて、
外敵が来たときに守らなきゃいけないのは、自分自身ではなく「巣」。
だから自分が死ぬのはそこまで問題ではなくって、
自分の命と引き換えになっても、巣を守ることの方が大事なんだそう。

えええーーーー!!!まじか。
死ぬことが怖くないのかな。
わたしだったら絶対無理だわ。。。

 

でも、働き蜂は子孫を残せない。
それなら、自分が長く生きるよりも、巣を守って
自分と同じ遺伝子を持っている女王蜂に沢山子どもを産んでもらった方が、
自分の遺伝子を沢山残すことができる。

ふーん。

 

巣のために自己を犠牲にしている、というよりは
完全な役割分担をしてる、ということなんだろうな。
こうして生き延びて来たと考えると、本当に生きるって面白いなって思う。

 

同じ場所で、同じ空気を吸って、生きている動物たち。
なのに、彼らは私たちと全然違うものさしで生きてるんだなあ。。

 

不思議。
こう考えると、これが当たり前だと思っていた人間の「生きる」とか「死ぬ」とかも、
結局色んな生き様のひとつでしかないんだろうなー。
新しいことを知るのは面白い。

 

猟期も終わったことだし、これからしばらくは蜂に夢中になりそうです。

 

蜂かわいい♡

 

 

 

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▼本が出ました!
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私が新米猟師になるまでのエッセイ(ブログに書ききれなかったいろんなこと)や、動物別の解体方法、ジビエのレシピ集など、イラストを交えて紹介しています。

私のおすすめは、狩猟体験が出来るツアーや団体の紹介や牛&豚の屠畜見学ができる食肉センターの紹介ページ。命のことはその現場でしか分からないことがいっぱいある。だからこそ、本を読んでくれた人にはぜひその現場に行ってほしいなと思っています。

ひとつの命が食べものになって、私たちの食卓に並ぶってどういうことなのか。
本を通じて感じてもらえたら嬉しいです。

わたし、解体はじめました ─狩猟女子の暮らしづくり─

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about me!!

About chiharuh

twitter: @chiharuh facebook: http://www.facebook.com/chiharuh   ●畠山千春   新米猟師兼ライター   法政大学人間環境学部卒業。カナダ留学後NGO/NPO支援・映画配給会社に就職、3.11をきっかけに「自分の暮らしを作る」活動をスタート。  2011年から動物の解体を学び鳥を絞めて食べるワークショップを開催。2013年狩猟免許取得。  現在は福岡県にて食べもの、エネルギー、仕事を自分たちで作る「いとしまシェアハウス」を運営。第9回ロハスデザイン大賞2014ヒト部門大賞受賞。TEDxTokyoyz、TEDxKagoshimaにて登壇。   ブログ:ちはるの森 http://chiharuh.jp   著書:『わたし、解体はじめました―狩猟女子の暮らしづくり』(木楽舎) http://urx.mobi/B8LE

2 Comments

  1. 採蜜、楽しみですね
    プーさんみたいに手ですくって食べてみたいです

  2. ちはるさんはじめまして。
    みなみといいます。

    TwitterでRTされていたリンクから来ました。

    こちらのブログ、以前炎上していたときに
    一度訪問させてもらっていました。

    ちはるさんの考え方、とても共感できます。
    わたしは、文章であまりうまく伝えられないけど、
    ちはるさんの記事で気づかせてもらえたこと、
    ちゃんと考えていきたいです。

    わたしも狩猟免許をとろうとおもっているので、
    ちはるさんの過去記事をいろいろ読んで、
    勉強したいです。

    そして養蜂>_<!!あこがれます。
    わたしもいつかはやってみたいです。
    巣が大きくなっていく様子がみられるなんて、
    うらやましいです(*´◒`*)

    これからの記事も楽しみにしています。

    みなみ

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